不安や悩みが尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そこで参考にしたいのが、増刷を重ねて好評多々の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の荷物を手放すための優しい言葉を授けてくれる。voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】「親ガチャ」「上司ガチャ」「転職ガチャ」…どうしようもないと思える「ガチャ」が“実はどうにでもなる”という根本理由

どうすることもできない不平等

「親ガチャ」「上司ガチャ」「転職ガチャ」など、このところ「○○ガチャ」という言葉を見聞きすることが増えましたよね。カプセル玩具の販売機にたとえる「ガチャ」という言葉は、たとえば「上司ガチャ」なら、部下は上司を選べない、という意味で使います。

物ごとを単純化しすぎているようで、ちょっと違和感はあるのですが、たしかに自分ではどうすることもできない不平等を感じることはあるでしょう。

どうしてそういうことを感じるかというと、それはとても“受け身”で考えているからです。結果をそのまま受け入れて、運がよかったらラッキー、運が悪かったら諦める。これに違和感を得るんですね。

「どうしようもない」ということはない

親ガチャにせよ上司ガチャにせよ、自分ではどうすることもできない結果であれ、少しでも自分にとってよくしようとすることは可能ですよね。自分でなにかをすることによって、少しでもマシにすることはできるし、それで少しでも幸せになることはできるわけです。

でも、「○○ガチャ」という言い方で済ませてしまうと、身もふたもありません。結果として「○○ガチャ」ということで諦めても、人生は楽しくならないです。幸せっていうのは、絶対的なものではなく相対的な価値観で変わるもの。良くも悪くも、ほかとの比較において感じやすいことです。

とてもお金持ちの家に生まれて同じような境遇の人たちとばかりつき合っていたら、そこでの比較によって幸せ度が変わってくるはず。あくせく働かなくてもいいお金持ちなのに、やることがなくて暇を持て余し、毎日がつまらなくて幸せに感じられないことだってあるかもしれません。

「ガチャ」でも半分以上は自分でなんとかできる

逆に、経済的に恵まれていない環境で育った人が不幸せかというと、両親が愛情を注いでくれて幸せを感じることもあるでしょう。経済的な環境での大変さはあるけれども、勉学に勤しんだり、非凡な才能を発揮したりして、将来的に経済環境を好転させることだってあり得ます。

どんな環境であれ、希望は持てるし、人生は楽しくなり得るはず。人生の時間は限られていますから、少しでも楽しく有意義に過ごすということが大事なんです。

たとえ「○○ガチャ」のような環境にいたとしても、半分以上は自分次第でどうにでもなるくらいに考えたほうがいいです。実際にそうだと思いますし、そのほうが幸せになりますから。

本稿は『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。