おすすめポイント
会社、学校、自治会、ありとあらゆる場面で日々行われる「話し合い」。あなたは、そんな日常にあふれる話し合いについて、自ら積極的に学んだことがあるだろうか。おそらく多くの方が、“いいえ”と答えるのではないだろうか。
私たちは大人になる過程で実体験として話し合いに触れ、時には親から「相手の立場になりなさい」と教えられ、時には上司から「積極的に発言しなさい」と指導されてきた。
だが、自分の身の回りや社会で見られる話し合いを振り返ってみてほしい。発言権がある大きい声の人の意見だけが反映されたり、意見がほとんど出ずに尻つぼみの場になってしまったり、はたまた長時間にわたり会議をするものの何も決まらず「結局、なんだったんだ」という曖昧模糊な結果に終わってしまったりしていないだろうか。そのような機能不全に陥っている会議や話し合いは、巷にあふれている。
本書『「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法』は、そんな残念な会議がはびこる現状に危機感を覚えた著者が、「話し合いの作法」を紹介する一冊だ。生産的な話し合いを進めるコツ、話し合いに臨む際のマインドセットなどが豊富に掲載され、悪い話し合いの具体例、イラストや図、ケーススタディも用いてわかりやすく解説されている。
本書を読めばきっと、「よい話し合いをするために必要なこと」が明確につかめるはずだ。会議に苦手意識をもつ若手社員から、部下に闊達な意見交換を促したいリーダー層まで、幅広い世代、立場の人におすすめできる一冊だ。(小林悠樹)