他方、戦争が現実に起こり得る可能性が高くなったという認識を持った場合について考えてみよう。それを積極的なチャンスと捉えて、例えば自衛隊に入隊するとか、武器に関わる企業の技術者を目指すといった選択肢があり得る。

 日本に限らず、例えば経済格差の大きな米国のような国を考える場合、経済力もコネも学歴もない若者が人生で一旗上げるにはどうすればいいか。軍人になることは有望かもしれない選択肢の一つだ。仮に戦争になった場合、先にトレーニングを受けて軍人になり、場合によっては少し偉くなっておくことは重要といえる。後から入隊する同世代人よりも、場合によっては生存確率も含めて、さまざまな面で有利に違いあるまい。ある意味では有望な、人生における「逆転の一手」だ。

メーカーやシステム会社
研究所、人材派遣も成長分野に

 また、武器に関連するビジネスは、仮に国防予算が倍増するなら有望な成長産業だと考えられる。増える防衛費について「どうせ米国の武器を買わされるのだろう」と冷笑するのではなく、ビジネスチャンスと見るのはビジネスパーソンなら極めて常識的な考えだ。

 もちろん直接の武器産業でなくとも、戦闘に活用できる要素技術に関わるメーカーやシステム会社、研究所、人材派遣なども成長分野だと考えることができるだろう。戦争で有効な技術に関わるエンジニアは、国内でも海外でも好条件の報酬に恵まれる公算が大きい。

 戦争関連の需要に関わって大いにもうけて、戦争に巻き込まれそうになったら早めに逃げるといった器用さを発揮する人もいるに違いない。そのため、就職先で「非戦」「好戦」を簡単に分けることはできないかもしれない。

 ともかく、ぼんやりと周囲の様子を見て、その挙げ句に「意図に反して戦争に巻き込まれる」人生は損だし、たぶんつまらない。

 そして何にせよ、就職を含む自分の人生の戦略と選択が、「戦争」からどのような影響を受けるかを考えておくことが、今の若者には必要だろう。たぶん、そのような時代になった。