コンビニの「中身スカスカサンド」に外国人失望、“上げ底商法”は日本の伝統芸写真はイメージです Photo:PIXTA

スカスカサンドを見過ごしてきた日本社会の罪?

<日本で初めてコンビニのサンドイッチを買うまで、私は日本人を100%信用していました>

 日本で生活しているカナダ人の英語教師のツイートが注目を集めている。これを投稿した「ArmstrongSensei」さんは、日本のコンビニのサンドイッチが客に見える部分だけ具を入れているだけで、実際は中身がほとんど入っていない、と図解して訴えており、16日時点でこの投稿は13.3万件の「いいね」がついている。

 ネット上では数年前からコンビニの弁当や惣菜が実際の量よりもかなり多く見せて売っている、といういわゆる「上げ底商法」が問題になっていた。その代表が「スカスカサンドイッチ」、または「ハリボテサンド」とネット上で呼ばれる商品だ。

 数年前、某大手コンビニチェーンのサンドイッチが炎上した。というのは、陳列された時に客に見える側にだけ細長いハムや卵が入っていて、奥の方にはバターやマヨネーズすら塗られていないという指摘がSNSで相次いだのだ。当時、競い合うようにアップされた画像を見ると、今回の「ArmstrongSensei」さんが描いた図通りの構造となっている。

 つまり、ネット民の皆さんからすれば、このような「上げ底商法」というのはもう何年も前からも被害が報告されていた。にもかかわらず、巨大企業がゆえ、おとがめなしでスルーされてきた不正というわけだ。実際、2ちゃんねる創設者で実業家のひろゆき(西村博之)氏も、投稿を紹介した記事を貼り付けてこんな私見を述べている。

「大手のコンビニですら客を騙す行為を問題だと感じてないし、日本人の多くも見過ごしてる。こうやって、少しづつ劣化していくんだろうなぁ、、と」

 しかし、このような意見に対して、「コンビニを一方的に悪者にするようなもの言いが納得できない」というような人たちも少なからずいらっしゃる。

 コンビニがこういう「スカスカサンド」をつくってしまっている根本的な原因は、原料が高騰していくのに、日本人の賃金がなかなか上がらないので価格に転嫁ができないからだという。要するに、批判すべきは「政治」や「経済政策」であって、苦肉の策をするまで追いつめられているコンビニではないというのだ。

 ただ、これはかなりビミョーな話だ。

 日本人は忘れっぽいので、あたかもこのような「上げ底商法」が最近になって生まれたかのように錯覚をしているが、実はこれは明治時代でも確認される日本の伝統的な商法だからだ。