◇3位……上手な休憩で学びの質が上がる

 3位は、上手に休むことだ。

 休憩を挟まずにまとめて勉強するよりも、小刻みに休憩を挟んだほうが記憶に定着しやすいことは、脳科学の分野で明らかになっている。休憩を挟まないと、時間をかけたわりに成果が出にくい。

 また、休憩をとると、「初頭効果」と「親近効果」が活用できる。初頭効果は最初に提示された情報が、親近効果は最後に提示された情報が記憶に残りやすいというものだ。つまり、こまめに休憩をとることで「最初」と「最後」の回数を増やすことができ、学習効果が高まるのである。

 休憩の一番の目的は、疲れた体と脳を休めることだ。したがって、100冊の著者の多くが、休憩中のスマートフォンやゲームは脳が休まらないため避けるべきだとしている。休憩時間には好きな音楽を聴く、ストレッチなどの軽い運動をする、本やマンガを読むといった過ごし方がおすすめだ。

 100冊の著者は一様に、「集中力は長く続かない」と述べている。ただし、集中力がどれくらいもつのかについては幅があった。個人差もあるため、「50分勉強+10分休憩」「45分勉強+15分休憩」など、自分に合ったペースを見つけることがポイントだ。「25分集中+5分休憩」を4セット繰り返し、15~30分の休憩をする、「ポモドーロ・テクニック」も参考にするのもいいだろう。

 さらに、「勉強しない日」を作ることも大切だ。100冊の中には、勉強のスケジュールの中にオフの予定をあらかじめ組み込んでおくことをすすめるものもあった。たとえば、月・火はしっかり勉強して、水の午後は休む。木・金・土と勉強して日は1日休む、といった具合だ。

 休むことに罪悪感を覚える人も多いが、焦らずに心身をリフレッシュすることがむしろ目標達成への近道となる。

◆効率的に成果を上げるためのコツ
◇4位……ごほうびでドーパミンを活性化

 4位は、ごほうび(=報酬)でドーパミンを活性化することだ。

 人がほめられたり、目標を達成したりしたときに感じる心地よさを生み出すのは、ドーパミンという神経伝達物質だ。ドーパミンを分泌させる方法のひとつが、「ごほうびの設定」である。ドーパミンは、報酬を期待しているときや、欲求が満たされるとわかったときにも分泌される。「試験に合格したら旅行する」といったごほうびを設定すると、期待感からドーパミンが増え、勉強に対する意欲を高めることができる。