東急電鉄と相模鉄道は11月24日、2023年3月開業を予定している東急新横浜線・相鉄新横浜線の運行計画概要を発表した。これにより東京へのアクセスはどう変わるのか。また、約半世紀にわたる計画実現までの紆余(うよ)曲折とは。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
東急電鉄と相模鉄道が
運行計画概要を発表
東急電鉄と相模鉄道は11月24日、2023年3月開業を予定している東急新横浜線・相鉄新横浜線(以下、両路線を区別しない場合は単に「新横浜線」と表記する)の運行計画概要を発表した。
東急新横浜線は東急東横線・目黒線日吉駅~新横浜駅間5.8キロ、相鉄新横浜線は羽沢横浜国大~新横浜駅間4.2キロで、新規開業区間は約10キロだ。東京圏では2010年7月の京成成田空港線(スカイアクセス線)、都市部では2008年6月の東京メトロ副都心線以来の大規模な新線開業となる。
関東の大手私鉄では唯一、東京に乗り入れていなかった相鉄にとって「都心直通プロジェクト」は長年の悲願であり、社運を懸けた大事業である。まもなく東京圏でも一部地域を除いて人口減少が本格化する中、「選ばれる沿線」であるためには都心への通勤利便性の確保は最重要事項だからだ。
そのため相鉄は2006年から新横浜線の整備に着手。2019年11月に西谷~羽沢横浜国大間2.1キロを開業し、JR東海道貨物線を経由して埼京線に直通する「相鉄・JR直通線」の運行を開始した。ただ同線は朝ラッシュ時間帯で1時間当たり4本、日中は1時間当たり2本と限定的で、都心直通の「本命」となるのは新横浜線こと「相鉄・東急直通線」であった。
東急から見てもこれは魅力的なプロジェクトだ。従来、相鉄から都心方面に向かう利用者の多くは横浜駅でJR線に乗り換えていた。それが東急経由となることで増収が望める上、東海道新幹線新横浜駅と直結することで沿線価値が向上する。