◆みんなで踏み出す
◇踏み出すための2つのポイント

 実行なくして成果は生まれない。だが、実行するのは大変だ。「想定外」を恐れてなかなか動き出せないのがふつうである。

 それでも完璧に準備することはできないし、理想通りに進むことなどありえない。だから、失敗を恐れず、まずは一歩を踏み出す必要がある。

 失敗を前提に踏み出すといっても、取り返しのつかないほど大きな失敗は避けたいものだ。失敗を最小限にするために、次の2つを意識しよう。

 1つめは「小さく踏み出す」だ。スモールスタートで土台をつくる。「小さく産んで、大きく育てる」とも言い換えられる。

 2つめは「みんなで踏み出す」、いわば「赤信号みんなで渡れば怖くない」だ。一人で踏み出すと、出せる力は一人分だし、何より怖い。だからチームみんなで動くのだ。

◇振り返りのサイクルを回す

 一歩踏み出すことができたなら、チームは確実に成長する。次なるステップは「成果を生むために行動し続ける」だ。行動を継続するためには「志」と「振り返り」が欠かせない。

 志は行動のモチベーションになる。とはいえ志だけでは続かないのも事実だ。振り返りの場を設け、成長実感を持たせるようにしよう。

 成長のサイクルを回すのはリーダーの仕事だ。チームで何かひと仕事を完了したら、みんなで振り返る習慣をつけるといいだろう。

 具体的には、次の3ステップで、一人ひとりコメントを述べていく。

(1)感想を述べる

(2)学びや気づきを述べる

(3)(2)に基づき、今後のアクションを述べる

 時間をたっぷりかける必要はないし、うまく言葉にできなくてもかまわない。節目ごとに振り返る機会をつくれば、一人ひとりが成長するだけでなく、チームとしての教訓が蓄積していく。それをチームの力として、さらに一歩踏み出せるはずだ。