総予測2023#49Photo by Yasuo Katatae

新型コロナウイルスに関連した保険金・給付金の支払いに追われただけではなく、金利や為替が乱高下する運用環境の激変にも直面し、忙しない22年を過ごした生命保険各社。23年は、少しは平穏な年になるのだろうか。特集『総予測2023』の本稿では、生保業界の23年を予測する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

コロナ支払いは業績にも大きな爪痕
営業職員チャネル改革は大詰めへ

 生命保険業界の2022年は、二大懸案の対応に明け暮れた1年だった。

 その二つとは、新型コロナウイルス感染症関連の保険金・給付金支払いの激増と、生保レディーに代表される営業職員チャネルのコンプライアンス向上に向けた、業界統一の指針策定である。

 とりわけ新型コロナ関連の支払いは、経営の屋台骨を揺るがす大問題となった。何しろ22年7~9月の3カ月で、業界全体で345万件、3267億円もの支払いに達したのだ(上図参照)。

 実際に、各社の22年上期業績には大きな爪痕を残した他、急きょリスク回避のために医療保険の引き受けを制限する生保もあった。

 次ページでは具体的に22年を振り返り、23年の見通しを解説していこう。