就活生必見、「物流業界」にはITよりも“争奪人材”を育てる職場がある!Photo: Diamond

*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で学ぶ注目業界完全ガイド」を転載し、一部加筆したものです。

就活で欠かせない業界・企業研究。本誌では注目16業界の現状と課題、求められる人材像を分かりやすく解説していく。第8弾は「持続可能な社会のインフラを支える業界」として、「物流業界」を取り上げる。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 松野友美)

縁の下の力持ちでもある物流業界
喫緊の課題は「2024年問題」

 コロナ禍を契機としたEコマース(以下EC)の利用急増に伴い、宅配便を中心に物流の需要は伸びている。

 大手物流会社では3社しか宅配事業をやっていないが、EC市場は今後も堅調に伸びていく見通しのため、宅配需要が先細ることは考えられない。特に、配送拠点から自宅に届けるまでのラストワンマイルの宅配は機械に置き換えることが難しく、今後も多くの人手が必要とされるだろう。

 製品が完成するまでには、材料や加工品の運搬など、さまざまな工程に物流が関わる(下図参照)。

 そんな縁の下の力持ちでもある業界の喫緊の課題は、2024年問題だ。同年4月1日以降に物流ドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで、運べる荷物の量が減り、運賃を上げないと収入が減少する。

 働き方改革は歓迎すべきだが、長距離トラックを中心にドライバーが高齢化していることもあり、人手不足に陥りかねない。運送業者間は過当競争で、運賃の値上げも難しい。

 だが、暗い話だけではない。