IT技術者や設計者よりも
“争奪人材”になるチャンスがある

 業界には、「IT技術者や設計者よりも価値ある人材になれるチャンスがある」(東海東京調査センターの金井健司シニアアナリスト)のだ。

 具体的には、高度な物流知識を身に着け、物流全体を設計するコントラクト・ロジスティクスの専門家になることだ。現場経験と経営学などの勉強が求められる。

 物流設計は、物流に関わるあらゆる企業に一定数必要な専門性が高い仕事だ。荷主企業から物流網の構築を受託する3PL業者などにもそうした仕事に就く人たちの職場がある。物流設計には特別な職種名が付いているわけではなく、“担当者”や“担当営業”などと呼ばれているケースもある。

 物流会社に流通を任せているユーザーメーカー側にもありそうな機能に思えるが、実はない。というのも多くのメーカーが、3PL業者に物流を外部委託している実態があるからだ。物流設計の知識や技術を身に着けるには、物流業界に入ったほうが近道といえる。

 一方、倉庫業は、足元では不動産会社やリート会社が大量に新規開発しており、供給過多の状況だ。

 それでも、長期的にはECや、医薬品の保管などの高度な管理が必要な倉庫の需要が増える。こうした専門性の高い倉庫の価値は高まっていく。