トスネットが再びトップ
平均年収は267.8万円

 年収が低い会社ランキングで1位となったのは、宮城県が本社の警備事業会社のトスネット。交通誘導や施設、列車見張り警備事業を手掛けており、従業員数は152人で、平均年齢は42.1歳の企業だ。

 平均年収は267.8万円と、前回ランキングの226.1万円から大幅に増加したものの、1位は変わらずという結果になった。

 2位は液晶用のガラス基板などの加工を手掛けている倉元製作所で299.9万円。前回ランキングでも2位だったが、平均年収は304.3万円と300万円台を維持していた。だが、今回は200万円台に沈むこととなった。

 同社は2014年12月期から赤字が続き、18年12月期に債務超過に陥った。19年12月には私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の利用を申請し、受理された。

 20年12月期は、債務免除益の計上により当期損益は黒字に転じたものの、売上高は18.2%の減収、さらに営業損益、経常損益ともに赤字。21年12月期もコロナの影響で業績は振るわず、営業損失4200万円、当期利益は前年同期比98.8%減の900万円だった。

 3位は「和風レストランまるまつ」や「そば処丸松」など外食事業を展開しているカルラで305.4万円。前回は323.0万円で4位だったが、今回はさらに上位となった。

 19年2月期には当期損益で赤字に転じ、さらに新型コロナウイルスの感染拡大により、4期連続の赤字が続いている。

 4位は建設設計業務などを行う一寸房で342.9万円。20年10月に東京証券取引所のプロ向け市場「東京プロマーケット」に上場した企業だ。

 21年2月に発生したミャンマー国軍によるクーデターにより、同国の製作拠点で行っていた業務の一部を国内拠点で補ったことから原価率が大幅に上昇。そうした影響もあり、21年7月期の業績は、営業損失4100万円、経常損失2800万円、当期損失3000万円と厳しい状況にある。

 5位はフィットネスや保育・介護事業などを行うSDエンターテイメントで348.5万円だった。

 なお、今回のランキングで年収400万円以下は50社中17社あった。

 17社を地域別に見ると、最も多いのが北海道(8社)、次いで宮城県(7社)。また、業種別では最も多いのがサービス業(8社)で、次いで小売業(7社)となった。

(ダイヤモンド編集部 松本裕樹)