この方法は、子どもを勉強させるためにも活用できそうです。たとえば宿題でやらなければならない計算ドリルがあったとします。このとき、1ページだけ見せて、「今日はこの10問全部を解こう」と言ったとしたらどうでしょうか。きっと子どもは、「なんだかたくさん解かなくてはいけなくて、嫌だなあ」と拒否反応を示すでしょう。なんだか大変な努力をしなくてはならない気がしてきます。
では、やるべき問題数を最初から2倍に設定して説明したらどうでしょうか。20問が書かれた2ページを見せたうえで、「今日はこの半分だけ解けたらOKにしようね」というわけです。
ゴールの決め方によってストレスが軽くなる
杉山 奈津子
定価1540円(税込)
朝日新聞出版
同じ問題数でも、前者では「10問という大量の問題を全部解かなくてはいけないのか」といううんざりするような気持ちになるのに対し、後者では「20問のうち10問でいいなら、さっさとできるのではないか」という前向きな捉え方になるのではないでしょうか。私も漢字のプリントをわざと2枚用意して、「今日は1枚だけやればいいよ」という手法を、よく息子に使っています。
このように、ゴールをどこに決めるかによって、やる気に差が生まれてきます。回数をたくさんこなしたいならば、ゴールを少しだけ多めに見積もってみると、ストレスや負担感が減って、いいのではないでしょうか。
※AERA dot.より転載