新卒採用において「採用代行」を使う企業が増えている。コア業務に集中できるようになり、内定承諾率の向上が見込めるなど、さまざまな恩恵をもたらすからだ。実は、学生にも隠れたメリットがある。新卒の採用代行の実態について調査した。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 大根田康介)
ノンコア業務からコア業務まで
企業の採用活動をサポート
採用業務の負担を軽減する「採用代行」のニーズが年々高まっている。どんな恩恵があるのか。
採用代行とは、人材サービス企業が取引先のクライアント企業から依頼を受けて採用活動を代行することだ。
代行業務は幅広い。基本的には応募の受付や管理、面接の日程調整、会社説明会の案内など、いわゆるノンコア業務を代行する。場合によっては、クライアントの採用担当者として採用計画の策定、書類選考、面接といったコア業務を代行することもある。
新卒採用なら、「あくまで最終判断はクライアント企業の人事担当者が行う」という建て付けで、エントリーシート通過後の選考で行われる集団面接やグループディスカッションなどの面接官を「選考補助」というかたちで担う。
中途採用とは違い、新卒採用はフォローアップの期間が長い。学生は入社するまで2年ほど就職活動し、企業もその間、応募者への対応や内定者のフォローアップなどの業務が発生する。
新卒採用は季節性が高い仕事だ。一括採用から通年採用に移行する企業も増えてきたとはいえ、まだ採用する時期には偏りがある。すべての採用業務に人事担当者だけで対応してしまうと、長時間残業の要因になりかねない。
故に、業務負担を軽減できるという恩恵を受けられる採用代行が人気を博しているわけだが、実はニーズの高まりにはもっと深い理由があった。