金融機関も選別され
今ある数ほどは要らなくなる

――金融機関は人口減少やフィンテックの台頭などで変化を迫られます。今後の展望は。

山本明弘・広島市信用組合理事長が語る地元企業の使命、「地域に頼りにされる金融機関じゃないと、生きていくことはできない」やまもと・あきひろ/広島市信用組合理事長
1945年山口県生まれ。専修大学経済学部卒業後、68年広島市信用組合に入組。支店長や管理部長などを経て、2005年6月から現職。13年から全国信用協同組合連合会の会長も務める。 Photo by Masato Kato

 100年先でも、お金は必要だから、金融機関も絶対に必要です。

 しかし、人口減少とともに、お客様である企業の数も減るので、金融機関も選別され、今ある数ほどは要らなくなる。

 我々の規模でこれを乗り切るには、中小零細企業を守る体力が必須。地域に頼りにされる金融機関じゃないと、生きていくことはできないでしょう。

 提携や協業は増えているけれど、うちの場合はそうやっても良いことにはならない。実際、よそで証券会社と信用組合が提携していたことがあるが、証券は運用のプロ。自分の所の利益を上げないといけないから、信組は思うように操られる。そういう世界です。

 また、金融機関が、金融以外の新しい分野に挑戦することもある。そういうのは珍しいからメディアに褒められたりして、経営者も自己満足したりする。でも、うちは違う。これからも預金・融資に継続・集中・徹底していきます。