幼い子どもは、朝起きると就寝時から180度体勢が変わっている…なんてこともままあるが、成人を迎えても幼少期と変わらないほどの寝相の悪さに、悩んでいる大人もいるかもしれない。実は、寝返りのレベルをはるかに超えるほどに寝相が悪い人は、睡眠障害の疑いが考えられるという。阪野クリニックの院長で、内科・睡眠の専門医である阪野勝久氏に話を聞いた。(清談社 鶉野珠子)
寝相が悪すぎる成人が
疑うべき三つの可能性
睡眠中、体の一部分のみに圧がかかったり、血流が悪くなったりするのを避けるため、人は頻繁に寝返りを打って寝姿勢を変えている。成人だと一晩に20回前後の寝返りを打つそうだが、子どもはその倍近く寝返りを打つうえ、打ち方も大きいという。
「寝ているとき、人は無意識に“レム睡眠”と“ノンレム睡眠”を交互に行っています。“レム睡眠”は、体は寝ているけれど脳は記憶整理などのために活動している状態です。“ノンレム睡眠”は、脳は休息していて体は動ける状態を指します。寝返りが打てるのは、基本的に体が動ける状態のノンレム睡眠のときです」(阪野氏、以下同)
レム睡眠とノンレム睡眠は、90~120分の周期で入れ替わる。しかし、子どもの場合はその周期が成人より短く、40~60分でスイッチするそうだ。また、ノンレム睡眠の時間が大人より長く、そのため寝返りの回数も増えるのだという。