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*本稿は、現在発売中の紙媒体(雑誌)「息子・娘を入れたい会社2023」の「親子で知っておくべき就活最前線」を転載したものです。
親が就活をした時代には一般的ではなかったインターンシップだが、今では就活の登竜門となっている。志望する企業のインターンシップに参加できれば、内定がぐっと近づく。そして2025年卒の就活からは、インターンシップの枠組みが大きく変わる。気になるその最前線を上下2回に分けて紹介しよう。(下)では、インターンシップの新4類型と、企業や学生に求められる対応の変化の解説のほか、採用担当者の本音などを紹介する。(取材・文/古井一匡)
2025年卒から始まる
新ルールの気になる中身
(上)に続いて(下)では、これから企業のインターンシップに関して起きる大きな変化について解説しよう。
2022年6月、経団連と大学のトップが直接対話する枠組みである「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」が21年度報告書を発表。そこでインターンシップの新しいルールが明らかになった。来年の25年卒の就活から、インターンシップは大きく4つの類型になる(下図参照)。
最大のポイントは、企業がインターンシップで取得した学生の情報を採用活動に使用することが、公式に認められるようになることだ。わかりやすくいえば、企業は「インターンシップを正式に採用活動に使ってもいい」というお墨付きを得ることになる。
前述のように、インターンシップはこれまでも事実上、企業の採用選考の一助とされてきた。しかしそれは、あくまで非公式なものだった。これからは、実態に即したインターンシップの運用が公に行われるようになるわけだ。
ただし、企業にとってハードルは低くない。公式に「インターンシップ」の名称を使えるのは「5日以上の開催」など、一定以上の条件を満たした図のタイプ3とタイプ4だけとなる。「学生がその仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を経験すること)を行う活動(ただし、学生の学修段階に応じて具体的内容は異なる)」に限られるのだ。
一方で、タイプ1とタイプ2は従来「インターンシップ」と称されていたが、今後は「オープン・カンパニー」「キャリア教育」と呼ばれることになる。これらはインターンシップとは認められないものの「教育的効果や学生のキャリア形成への効果が一定程度期待できる」と定義されている。