株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、というサラリーマンでも再現性の高い超シンプルな投資法を紹介する。

【お金を増やす】仕事にも投資にも確実に役立つ「違い」とは?イラスト:タラジロウ

「利益」の違いを把握しておこう

【前回】からの続き 営業利益は本業で得た利益のことで、売上高から「原価」と広告費などの「販売管理費」を差し引いて求めます。売上高が1億円で、原価と販売管理費が8000万円なら、営業利益は2000万円、営業利益率は20%になります。

経常利益は、本業で得た営業利益に、本業以外で得た利益をプラスし、そこから営業費用を差し引いて求めます。税引き前利益は、経常利益に「特別損益」を加味し、純利益はそこから法人税など各種税金を差し引いて算出します。そして、純利益から配当性向(配当支払率)に応じて配当金が株主に支払われるのです。

こうして見ると、売上高がいくら高くても、原価や販売管理費が想定外にかさんでしまったら、営業利益は思ったほど得られないことがわかります。逆に、売上高が伸びなくても、原価や販売管理費を抑えられれば営業利益が上乗せされることもわかります。

企業の“本来の姿”をチェック

自動車産業のような輸出企業では、事前に想定した為替レートよりも円安に傾いた(たとえば想定為替が1ドル=110円だったのに実際は130円だった)場合、「為替差益」が営業外利益として経常利益に上乗せされることになります。

要するに本業がふるわず、思ったように営業利益を稼げなかったとしても、為替差益のほかにも、企業が持っている不動産や株式などを売却して、営業外利益を叩き出すと、経常利益が上乗せされることもあるのです。

そのように考えると、企業の業績をもっともストレートに反映しているのは、本業でどれだけ稼ぐ力を持っているかを示す「営業利益」「営業利益率」なのです。架空の売上高計上や利益の改ざんをしない限りは、企業の本来の姿が反映されているのは営業利益以外にないということです。【次回に続く】

※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。