子どもを認可保育園に
「入れやすい区」「入れにくい区」の1位は…?

 また2022年は、「待機児童ゼロ」を宣言している自治体が23区中18区と大半を占めた。

 しかし、東京23区の実態をひもとくと、0歳児の人口は6万5453人なのに対し、0歳児が入園できる認可保育園の定員の合計は1万9373人にとどまっていた(注:区部の0歳児人口は住民基本台帳を参照。日本人のみで、外国人の0歳児は含まれていない。認可保育園の定員はスタイルアクト調べ)。

 さらに、東京都の調べによると、0歳以上の子も含む就学前児童(東京23区在住)のうち、何らかの保育サービスを利用している児童の割合は、2022年4月現在で50~60%前後となっていた。

 これらのデータからは、「待機児童」の数は減っているものの、自宅で親が面倒を見るなど、何らかの理由で保育サービスを受けていない子どもが一定数存在することが分かる。

 それでは、東京23区における「認可保育園の倍率」を見ていこう。この指標は、各区に住む「0歳児の人口」を、「認可保育園の0歳児定員」の合計値で割って算出した(注:東京23区の0歳児人口は、各区役所が22年10月時点で公表している最新データを使用した。各保育施設の0歳児定員は、区が公表している数値がある場合はそれらを使用しているが、未公表の施設についてはスタイルアクトが独自に調査した)。

 その結果、倍率が最も低かった「子どもを認可保育園に入れやすい区」の1位は千代田区で、倍率は2.38倍だった。

 ただし前述のように、未就学児童の一部は保育園入園を希望しないため、実質的な倍率はその水準よりもさらに低いと考えられる(この後で紹介する区も同様だ)。

 そう考えると、希望すれば認可保育園に8割ほどが入れる状況にあり、認可外まで含めると全員入れる可能性が高いとみられる。

 このほか、トップ5には文京区(2.69倍)、葛飾区(2.73倍)、新宿区(2.82倍)、豊島区(2.85倍)がランクインした。

 一方、倍率が高い「子どもが認可保育園に入りにくい区」の1位は江戸川区であり、8.01倍にも及んだ。東京23区の平均は3.44倍なので、その高さがうかがえる。

 他にワースト5に入った区は、大田区(4.30倍)、台東区(4.20倍)、江東区(3.91倍)、足立区(3.78倍)だった。