「新年の相場予想」が当たらない当然の理由、初日から外す人が続出Photo:PIXTA

毎年、多くの新聞や雑誌で専門家や経営者による「今年の相場予想」が掲載されるが、年末に振り返ると当たっていないことが非常に多い。これはなぜなのか。当たらない理由を解説しよう。(経済コラムニスト 大江英樹)

すでに外れてしまった「今年の相場予想」

 年の初めにはさまざまな新聞や経済誌で「今年の相場予想」なるものが登場する。これは恒例の年中行事と言ってもいいのだが、多くの場合、この相場予想は外れることが多い。今回は、一体どうして相場予想が当たらないのかについて考えてみたいと思う。

 いろいろな雑誌や新聞では相場に限らず、その年に起こり得る事件や問題を予測する記事がよく出てくる。知られているのは代表的な経済紙に毎年元日に掲載される「経営者20人に聞く株価予想」だ。例えば昨年、2022年元日掲載の日経平均株価の予想は、高値は3万5000円~3万2000円のレンジに予想の全てが収まっていた。ところが実際の高値は、2万9388円だった。逆に安値の予想は2万8500円~2万5000円のレンジであったが、実際の安値は2万4681円だったので、全ての人の予想が外れたことになる。

 今年も日経平均株価の安値の予想で2万6000円という人が20人中11人いたが、相場が始まった初日の1月4日でこの水準を割り込んでしまったので、半数以上が早くも初日で予想を外してしまったことになる。