大手金融機関に勤めていた著者は、40歳で早期リタイアを考え始めた。その10年後に資産1億円を達成、計画通りに見事、FIRE(経済的自立と早期リタイア)を果たした。著書『【エル式】 米国株投資で1億円』では、年代別の投資指南から最強の投資先10銘柄に至るまで、“初心者以上マニア未満”の個人投資家に再現可能な投資法を徹底指南している。今回は刊行後、本書で紹介した「最強の10銘柄」の“その後”をたどり、著者が自信をもってオススメする「ポートフォリオ(投資先の構成)」を公開する。
※本稿は、『【エル式】 米国株投資で1億円』の著者による書き下ろしです。

【お金を増やす】自信をもってオススメ! 米国株「最強の10銘柄」とは?Photo: Adobe Stock

株式投資でお金を増やす
“オススメの組み合わせ”

私の初の著書『【エル式】 米国株投資で1億円』(ダイヤモンド社)を上梓してから、早くも2年が経とうとしています。本書では「上場投資信託(ETF)+個別株」という組み合わせをオススメしました。

ETFは数百・数千の銘柄に分散投資していますから、個別株とは違って1つの投資先の選択を誤ることで、資産を大きく減らすリスクが避けられます。その一方で、個別株に投資したほうが、米国株投資が“わが事”になり、国内外の経済などに関する感度が高まるという副次的なリターンも得られます。

さらにETFに比べて個別株のほうが、株価が大きく上昇する「夢」があるともいえます。もし「10年で資産1億円を目指す」といった高い目標を掲げるとすれば、ETFだけでなく個別株への投資が不可欠になってきます。

驚きのパフォーマンス
「最強の10銘柄」とは?

私は2005年にアマゾン・ドット・コム(AMZN)に初めて投資してから、これまで数多くの米国株に投資してきました。2020年のコロナ危機で株価が大きく値下がりした局面で、これをチャンスと捉えて米国株への投資を増やしましたが、その過程で、過去に投資した全銘柄への投資実績をふり返りました。

『米国会社四季報』などで基礎的なデータ(業績や増配動向など)をチェックし、「守りにも攻めにも強いポートフォリオ(投資先の構成)」がないかどうか、数十通りの組み合わせを試行錯誤して得られたのが、本書にも掲載した以下の「最強の10銘柄」です。

【エル式】米国株「最強の10銘柄」
ビザ(V)
=クレジットカード
ユニオン・パシフィック(UNP)=鉄道貨物
ロッキード・マーチン(LMT)=防衛関連
ナイキ(NKE)=スポーツ用品
ホームデポ(HD)=ホームセンター
ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)=医療保険
ダナハー(DHR)=産業機械
コストコ(COST)=会員制量販店
マコーミック(MKC)=調味料
チャーチ・アンド・ドワイト(CHD)=日用品

「最強の10銘柄」の驚くべき運用実績

投資法は簡単です。この最強の10銘柄に、10%ずつ均等に初期投資。年1回、ポートフォリオをリバランス(見直し)、配当金は再投資することが前提となります。

最強の10銘柄に2009年1月に1万ドル投資したとします。それが2022年12月にいくらになったと思いますか? 結果は以下の通りです。

初期投資:1万ドル
◎結果:13万8452ドル(約14倍)
◎平均年率:20.65%
◎最高年率:38.06%
◎最低年率:-9.41%
◎最高下落率:-20.16%
◎シャープレシオ(運用効率):1.42
◎過去14年におけるベンチマーク
(バンガード500インデックス・ファンド)との勝敗:11勝3敗
※「シャープレシオ」とは、価格変動リスクに対してどの程度高いリターンを残したかを示す指標

指数の2倍、約14倍ものリターン

この間、主要な米国株の指数であるS&P500に連動する投資信託(バンガード500インデックス・ファンド=ベンチマーク)に投資していた場合でも、年率12.99%(平均)で、当初元本は5万5281ドルと5.5倍以上に増加しています。

これでも十分なリターンを得られますが、「最強の10銘柄」はこれを遥かに上回る約14倍ものリターンを得られたのです。

毎年の騰落率も、ベンチマークに対して11勝3敗と「圧勝」しています。しかも、シャープレシオが1.42と、これまた素晴らしいパフォーマンスを示しています。ここまでは、本書で紹介した2020年7月までの運用実績を昨年まで延長した結果です。

“攻め”だけでなく“守り”に強い

次に直近(2022年)の運用実績を見てみましょう。みなさんもご存じの通り、以前は好調だった米国株式も、米連邦準備理事会(FRB)による利上げやインフレの進行などによって、株価が大きく下落した年になりました。

しかし、この年においても「最強の10銘柄」は、持ち前の“守りの強さ”を発揮したのです。

2022年の運用実績
◆バンガード500インデックス・ファンド:-18.23%
◆「最強の10銘柄」:-9.41%

ともに下落したものの、ベンチマークとなる米国株式市場の代表的指数に比べると、「最強の10銘柄」の下落率は約半分に留まっていることがわかります。このように市場環境が全体的に悪化した年でも、相対的に良好なパフォーマンスが期待できるのが「最強の10銘柄」なのです。

少なくとも“大きく裏切られない”

「過去は将来を保証しない」ということは、百も承知です。しかし、これからの10年間が過去に比べて悪くなったとしても、少なくとも“大きく裏切られることはない”と、私は思います。

そう思うだけでなく、本書を刊行してからも「最強の10銘柄」をかなり買い増ししているのです。

ちなみに、私は「最強の10銘柄」以外にも、米巨大ハイテク企業であるGAFAMの一角を占めるアマゾン・ドット・コム(AMZN)やマイクロソフト(MSFT)などにも投資していますが、これらの銘柄に足を引っ張られて、昨年の米国株ポートフォリオ全体のパフォーマンスとしては、S&P500並みの平凡な実績でした(笑)。

※本稿は、『【エル式】 米国株投資で1億円』の著者による書き下ろしです。