長友佑都が「メンタルモンスター」になれた理由、“長友不要論”も財産に長友佑都がつらくても、きつくても、苦境にあっても「ポジティブな姿勢を貫く」理由とは?(サッカー・カタールワールドカップグループリーグで2-1でスペインを破り、同点ゴールを決めた堂安律と雄たけびをあげる長友=左) Photo:Clive Mason/gettyimages

おすすめポイント

 2022年11~12月に開催されたカタールワールドカップ。優勝候補とも目されたドイツとスペインを破るなど、日本代表は数々の名試合を見せ、世界中に感動と興奮をもたらした。

『[メンタルモンスター]になる。』書影『[メンタルモンスター]になる。』 長友佑都著 幻冬舎刊 1650円(税込)

 特に注目を集めた選手のひとりといえば、カタール大会が4度目のワールドカップという大ベテラン、長友佑都選手だろう。初戦のドイツ戦に赤髪で登場してファンを沸かせた長友選手は、試合後のインタビューで「ブラボー、ブラボー!」と絶叫したことで話題に。試合中は誰よりも声を出してチームを盛り上げ、ムードメーカーとして存在感を放っていた。そんな長友選手がカタール大会の直前に上梓したのが本書『[メンタルモンスター]になる。』だ。

 本書は、4年前のワールドカップで日本代表が敗れたシーンからはじまっている。長友選手はその大会で代表を引退するつもりだったものの、敗戦をきっかけに「もう一度、この舞台に戻ってきてやる」と決意したという。

 サッカーは注目度が高いぶん、選手たちのプレッシャーは計り知れない。この重圧をいかに乗り越えてきたのか、長友選手は言葉を尽くして語ってくれている。不安で仕方ないときは何をするのか。「メンタルモンスター」といわれるほど、常に明るくいられるのはなぜか。カタール大会直前、どんな気持ちでいたのか。歳を重ねるほど輝きを増す理由とは――。ぜひ多くの読者に、華やかな活躍の裏にある葛藤と努力を知ってほしい。サッカーファンはもちろんのこと、重圧や不安をバネにしていっそう輝くためのヒントが欲しい方にも勧めたい一冊だ。(庄子 結)