出来上がった画像をこの記事に載せると、閲覧する人たちは“ウェブライター武藤弘樹”をそのAIアバターのイメージで覚えてしまうかもしれない。半永久的に残る、一種のデジタルタトゥーである。筆者はひげをそり、昼前だったが風呂まで入って身を清めた。

 しかし、いざ自撮りに臨むと経験がなさすぎることが露呈し、角度やら表情やらをどうしていいのか皆目見当がつかない(おそらくご同輩の方々も、その状況に置かれれば同じ思いを抱くはずである)。

 もうどうしようもないので適当に10枚撮影したら、いかにも覇気がなく血色の悪い、われながら見るのも嫌な自撮り画像ができあがった。それをSNOWにアップすると、10分ほど待って(表示は20分待ちとなっていたが、早まったようだ)、計100枚のAIアバターが生成されたのであった。

 当初は、100枚もあるから似たようなものが羅列されるのかと思っていたが、ふたを開けてみると決してそんなことはなく、100個の違った顔が生成された。どれも筆者に似ているのだが、顔のパーツなどのバランスが若干違っていて、それによって別人になっている。人の顔は、ごくわずかな違いでここまで印象が変わるものなのだな、と改めて興味深く思われた。

 さて、元の自撮り画像をここに決してアップするつもりがない筆者の、実物の方向性に一番近いAIアバターがこれである。

「AIアバター」作成におじさんが挑戦!出来栄えに満足した後に気づいた真の楽しみスタイル:ベーシック

 これはたしかに筆者なのだが別人のようでもあり、どこをどういじったのかわからないのにとても美男子になっている。元の画像に漂っていた覇気のなさも、このアバターでは「物憂げでミステリアスな雰囲気」というポジティブな枠組みの中に落とし込まれている。見事である。

 このアバターをぜひ筆者そのものと思っていただくとして、この筆者の亜種として誕生したAIアバターの中から、気に入ったものをいくつか紹介したい。

「AIアバター」作成におじさんが挑戦!出来栄えに満足した後に気づいた真の楽しみスタイル:スタイリッシュ

 ここまで来ると完全に別人であるが、まごうことなきいい男である。色気が増しすぎてスケベそうにすら見える。

「AIアバター」作成におじさんが挑戦!出来栄えに満足した後に気づいた真の楽しみスタイル:エアブラシ

 昭和風の濃い男である筆者に、令和風のイケメン要素をまじえた仕上がりとなっている。加工前の筆者としては、この世界線の筆者への嫉妬を禁じ得ない。

「AIアバター」作成におじさんが挑戦!出来栄えに満足した後に気づいた真の楽しみスタイル:絵画

 インドの神様にこういう男性がいたかもしれない。あるいは、これからでも新たにインドの神様の一員に加われそうな貫禄を備えている。髪がメデューサのようであり、生まれつきの癖っ毛をAIにネタにされているようにも感じた。

 この他にも数多のイケメンアバターや、海賊の格好をしたもの・王冠を載せたもの・背後が爆発しているものなどの悪ノリ的アバターもあった。

 ご覧の通りであり、筆者はとにかく楽しんだのであった。