ヤマト・佐川・日本郵便「値上げ」が焦点、23年は宅配クライシス再び!?Photo:Diamond

通販業界などでは、「宅配各社が燃料高を理由にまた運賃を上げてくるのではないか」との話がすでに出ている。「宅配クライシスの再来だ」と。それに備えて、通販各社では集荷・持ち込みの時間帯や場所、方法を宅配会社に負担のない形へ変えることで運賃交渉につなげるなど、あの手この手の施策を考え始めているようだ。物流専門紙の記者5人が2023年新春座談会で意見を交わした。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

トラック運賃、値上げを実現するカギは?
前回の「物流危機」と同様の動きになるのか

A 足元で燃油など様々なコストが上がっている中で、本丸の運賃を値上げできるかどうかが今年の最大の焦点とも言える。前回の「物流危機」の時は、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便といった宅配大手が値上げに動き、それに特積み大手が追随して業界全体での運賃値上げ環境が醸成された経緯がある。今回も同様の動きになるのかどうか…。「2024年問題」の到来を前に、23年4月、あるいは10月あたりでの各社の動きに注目したい。

D たとえば、通販業界などでは宅配各社が燃料高を理由にまた運賃を上げてくるのではないかとの話がすでに出ている。「宅配クライシスの再来だ」と。それに備えて、通販各社では集荷・持ち込みの時間帯や場所、方法を宅配会社に負担のない形へ変えることで運賃交渉につなげる――など、あの手この手の施策を考え始めているようだ。

A 「2024年問題」によって運行時間の制約が出てくる中、集荷カットオフ時間をどれだけ遅らせてもらえるかといった取引条件を巡る交渉も本格化してきそうだ。運賃アップを容認する条件として、例えば「埼玉から神戸まで何とか運んでほしい」とか。そうした細かい条件闘争がかなり出てくるんじゃないかな。

D 今までは運賃が上がるか下がるかだったけれど、「ここをやるからここの運賃を下げて」といったような細かい調整が大事になってくるのかも。逆にそれができる物流部門がいないと、物流会社にいわれるがまま運賃を上げるしかなくなる。物流部門にノウハウが必要になり、人材育成が重要になるのではないかな。

B 「物流部」の体制強化が必要になってきそうだね。