経営コンサルタントの神田昌典氏が、アメリカで百年以上続く売れるコピーライティング技術を日本で普及させ、はや25年。その集大成が『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が、「この本は100万円以上の価値がある!」と絶賛。大きな話題となっている。スマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介する。

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初心者が気をつけるべき
「CTA」の抜け穴

 コピーライティングの経験不足の人にありがちなミスに、行動を呼びかけるCTAが抜けていることがある。

「お申込はこちら(URLを入れてクリックで申込画面に遷移するようにする)」
「0120-XXX-XXXまで、今すぐお電話を」

 などだ。

 会社などある程度大きな組織のLPの場合は、CTA「ボタン」が抜けていても、デザイン段階や販売責任者が発見するので大事に至らないケースが多い。だが、個人事業主として自力でLPやセールスレターを書く場合は、要注意だ。

 CTAが抜けているのは論外だが、ポイントは遠慮せず、はっきり書くこと。

 読み手に行動を起こしてもらいたい場合は、どうしてほしいかをはっきり書こう。

 これはLP・セールスレターに限らない。

説明会は13時からとなります。
お忙しいところ恐れ入りますが、みなさまのご理解、ご協力をお願いいたします。

 このような文章はよく見かけるが、コピーライティングのCTAを取り入れると、次のような書き方に変わる。

説明会は13時からですが、冒頭部分でお伝えすべき重要な内容がありますので、12時55分までに会場にお入りいただけますようお願いいたします。

 要するに「定刻どおり始めたいので、定刻5分前までにくる」ことをはっきり書くのだ。

 この場合は「5分前」ではなく「12時55分」とはっきり書いている。

「5分前」だと、「開始が13時だから、その5分前だな」と読み手に一瞬考える余地を与えてしまう。だが、「12時55分」とはっきり書けば考えなくてすむ。

 LP・セールスレターのCTAは、「購入してください」「申し込んでください」がほとんどだ。単に「お申込はこちら」という表現がオーソドックスだが、次のように「1年間無料でお試し!」と表示するのもいい。

 一方、CTAの文言はもっと凝ったものにもできる。

「ピアノコピー」のCTA(本書53ページ)もユニークだ。

フランク・クレーン博士が紹介文を書いた無料冊子『自宅で音楽のレッスンを』を送ってください。デモレッスンと詳しい案内書も送ってください。以下のコースについて知りたいです。

 これは、内容のリマインドと期待感を高める効果、さらには意思表示をあらかじめ書いておくことで、読み手を自然と導く狙いがある。

 ただ単に「お申込はこちら」と書くより、ワクワク感を印象づけられる。

 これが100年近くも前のセールスレターで使われていた技術なのだから恐れ入る。

 次の事例は、「ピアノコピー」同様、読み手が宣言する形だ。

顧客が「その気」になったタイミングで背中を押せる人、押せない人の決定的な違い

「インパクトカンパニーへと生まれ変わるために実践会に申し込む」と最後に自ら宣言する形にしている。

 下記も同様に「おトクに購入する」と自ら宣言する形でのCTA事例だ。

顧客が「その気」になったタイミングで背中を押せる人、押せない人の決定的な違い

 また、CTAを表示する位置には、「早めに出したほうが成約率は高い」「中間がいい」「最後に出すべき」など、いろいろな考えがある。

 結論は、どこがベストとはいえない。ターゲットの関心の強さによって変わってくる。

 CTAはプロポーズと同じなので、タイミングが非常に重要

 初対面で名刺を差し出した直後に「結婚してください」と言う人はいない。

 一方、長期間つき合って、「もうそろそろかな」と思っているのに、なかなか言い出さないのもじれったい。

 顧客が「その気」になった段階でCTAを出すのが最も効果的なのだ。

 CTAボタンを表示する頻度も、あまりに多いと、うっとうしい。離脱リスクが高まるから注意しよう。

 ここで新型iPhoneを売る場合を考えてみたい。

 熱烈なアップルファンで、新型が出れば必ず買う人には、価格だけわかればすぐに申し込めるよう、早めにCTAボタンを持ってくる。

 逆に、今、アンドロイドのスマホを使っている人がターゲットなら、アンドロイドと何が違い、長所はどこかを先に説明してから最後にCTAボタンを配置する。

 また、スマホ自体を初めて購入する人には、スマホで何ができるかを説明してから、iPhoneが他の機種と比べてベストなことを説明する。

 この場合、冒頭にCTAがあったり、途中で何回もCTAが出たりすると、うっとうしい。

 このように、読み手との関係性(新規客か既存客か)や、読み手の関心の度合=どの程度買う気になっているかによって、適切なCTAの位置は変わってくる。

 コピーライティングは流れが重要なので、CTAの位置は、流れを阻害しないように、自然な流れの中でクリックできる位置に配置するのがポイントだ。

PS.1.『コピーライティング技術大全』の活用法を解説したセミナー動画をご覧いただけます。
(この動画は予告なく終了することがあります)

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顧客が「その気」になったタイミングで背中を押せる人、押せない人の決定的な違い

(本原稿は、神田昌典・衣田順一著『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』からの抜粋です)