年金などの公金受取口座とひも付け
マイナンバー利用拡大で政府検討
マイナンバーカードの利用拡大を目指して、政府がマイナンバーにひも付く預貯金口座を公的年金や児童手当などの公金受取口座に登録する仕組みを導入するほか、マイナンバーの用途を法改正なしで追加できるようにすることが検討されている。
コロナ禍では、一律10万円の給付金をめぐる混乱や事業者支援の事業継続給付金の不正受給問題が起きるなど、必要なときに本当に必要な人や家庭に十分な支援ができなかった。
日本では、行政と個人情報が共有されることにプライバシーや個人情報が把握・漏洩されるという警戒感や不信感が強く、マイナンバーカード制度も利用は進んでいないのが現状だ。
だが諸外国では、税・社会保障の手続きや給付のデジタル化を進めることで、国民がさまざまな給付を迅速に確実に受け取れるような環境整備で先行し、行政手続きも簡素化されて社会全体の生産性も上がるなどのメリットの方が多く得られている。
日本も公平社会の「無形公共インフラ」として制度整備を急ぐ必要がある。