サディア・カビーア氏は、電気化学と出会ったときのことを今でも覚えている。電気化学とは、化学反応によって電気を生み出したり、電気によって化学反応を促したりする仕組みを研究する科学の一分野だ。同氏はすっかり心を奪われたという。「尋常でなく思えた」高校時代に熱中したものが、そのまま仕事になった。ナノ物質の電気化学特性の研究で博士号を取得したカビーア氏は現在、スタートアップ企業トゥエルブ(Twelve)に勤務している。同社は、電気化学プロセスを使用し、回収した二酸化炭素(CO2)を汎用(はんよう)化学品に転換している。環境技術への投資ブームのおかげで、電気化学は注目の分野となっている。それはバッテリー性能向上の鍵を握るだけでなく、化石燃料に依存しない工業プロセスを支え、エネルギー転換に伴うその他の課題を解決できる可能性がある。
グリーンエネルギーの未来開く「電気化学」とは?
投資家から大きな注目を集め、大学は業界と連携を強化
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