海外旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「ヨーロッパの人気チョコレートスイーツ」です。バレンタインデーが近づくとデパートやショップに特設コーナーなどが登場し、改めてその種類の豊富なことに驚く人も多いのでは?今回は、好評発売中の『世界のお菓子図鑑』に掲載しているお菓子のなかから、チョコレートにまつわる人気スイーツをいくつかご紹介しましょう。(文/竹内あや(地球の歩き方書籍編集部) 写真/iStock)
“黒い森”をイメージしたサクランボのケーキ(ドイツ)
ドイツ人のチョコレート年間消費量は1人あたり約11キロで、世界トップレベルのチョコレート大国です。チョコレート菓子もたくさんありますが、定番人気のチョコレートケーキといえば「シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ」。直訳すると、“黒い森のサクランボのケーキ”という意味で、うっそうとした森が広がるドイツ南西部のシュヴァルツヴェル地方で古くから作られていたチョコレートケーキです。この地方特産のサクランボ(キルシュ)を発酵させて造る蒸留酒がたっぷり使われているのが特徴です。
キルシュ酒をしみ込ませたチョコレートスポンジ生地に、これまたキルシュ酒で香り付けした生クリームがサンドされていて、表面は生クリームと削りチョコでデコレーションされ、サクランボが飾られているのが一般的。黒い大地に降り積もる雪、さらに大地に舞い落ちる木の葉やサクランボなど、まさに“黒い森”そのものです。国境を接するアルザス地方からフランスへと伝わり、「フォレ・ノワール」としても親しまれてきました。