太陽の力が地球に生み出す絶景 オーロラ
夜空にまるで光が踊るようにうごめくオーロラ。太陽系惑星でオーロラが見られるのは地球以外では木星と土星だけ。惑星が地磁気と大気をもっていることがオーロラ発生の条件だからです。オーロラが見られる――それだけで地球がいかに貴重な星かがわかるのです。
オーロラは、太陽から発せられる太陽風(電気を帯びた粒子)が、地磁気の極に吸い寄せられるよう加速し、大気中の酸素や窒素にぶつかって光を発する現象で、実は高度によって発光する色は赤色(高高度)、緑色(もっとも目撃しやすい高度)、紫色(比較的高度が低くあまり発光しない)の3種類なのです。
また太陽風は地磁気極へ向かう途中でオーロラ発光することから、よく見られる場所は北半球、南半球とも南極や北極に比較的近いエリアとなり、一帯をオーロラベルトと呼んでいます。特に北半球のオーロラベルトはおもに陸上上空にあるため、暗い夜が長く続く冬季には観測しやすくなります。カナダ北部やアメリカのアラスカ州、北欧諸国が観測ポントになるのはそのためです。また日本ではあまり知られていませんが南半球のニュージーランド南島やオーストラリア最南部のタスマニアなどでも、太陽風が強いときにはオーロラ観察が可能です。その場合は低緯度地域で見るオーロラのため、赤色がより強く見えることになります。