「日本はマナー大国」に疑いの目も…“3年ぶりの訪日”で外国人の日本評に変化訪日観光客が戻りつつある浅草(著者撮影)

3年の空白を経て少しずつ回復に向かいつつあるインバウンド・ツーリズム。日本政府観光局(JNTO)によると1月の訪日客数は149.7万人で、コロナ前の2019年1月比で56%の水準まで戻ってきた。一方で、日本はいまだ魅力的な旅行先であり続けているのだろうか。訪日旅行客の目に映る日本の今を追った。(ジャーナリスト 姫田小夏)

感染拡大から3年、
いまだ世界で揺るぎない日本人気

「成田空港で4時間も待たされた」――こう不満を口にするのは、1月13日に訪日した中国人の李さん(仮名)だ。習近平指導部による「ゼロコロナ政策」の終了により、中国人も海外渡航できるようになったが、日本政府は中国からの渡航客に検査を義務付けした。その影響が李さんにも及んだのだ。

 日本や韓国のみならず、欧米各国でも講じられた同様の措置に、中国人観光客は屈辱感を高めた。2月に入り、中国政府は3年間停止していた中国人の海外への団体旅行をタイなど20カ国に解禁したが、日本は含まれていなかった。

 日中間では平和産業である観光にも地政学的な影響が及んでいるようだが、その一方で観光地としての日本は訪日旅行客にどう受け止められているのだろうか。