限界/呼吸/反復のサイクル

「レストポーズ法」のメソッド(やり方)の実践例は次の通り。

 例えば、通常の「チェストプレスを10レップ×3セット」というトレーニングメニューに挑むとします。10レップをやりとげて、はい、ひと休み。適度に歩いて呼吸を整え、インスタグラムに写真をアップし(笑)、それからようやく2セット目に取り掛かるのが一連の流れでしょうか。

例:「レストポーズ法」のやり方

 しかし「レストポーズ法」の場合には、とにかく限界まで(正しいフォームで)チェストプレスを繰り返した後、もう1mmも持ち上げられないという状態に達したら、そこで一時中断します。身体を起こし、深呼吸を10回。そしてすぐさまウエイトを持ち、また限界までチェストプレスを繰り返す。やるべきことはそれだけです。「限界/呼吸/反復」を意識しながら、計30回に達したところで終了。まずはお疲れさまでした。

速く/強く/大きく

 はじめのうちは13回、7回、5回、3回、2回と細かく区切り、計5セットでやっと30レップに到達するという具合かもしれません。これを2~3セットで完了できるようになったら、今こそウエイト(の重さ)を増やすタイミングです。これが「プログレッシブ・レジスタンス(progressive resistance)」と呼ばれる概念ですが、これを継続していくなかで筋力増強の基礎がつくられていくと言っていいでしょう。

 セッションを重ねるなかでウエイトの重量は増していきますが、だからと言って「レストポーズ法」の時間を変えてしまってはいけません。10回の深呼吸、この間隔が重要なのです。かならず死守してください。

 このテクニックさえ身に着けてしまえば、1回のセッションで行なうべきトレーニングの総量を増やす必要などなくなります。正しく行えるようになればむしろ、「それ以上の追い込みは不要」と言い切ってしまっても良いでしょう。とにかくターゲットとなる筋群を2~3箇所、セッションごとに決めてください。そのうえで最も負荷の大きな、最も難易度の高い筋トレ種目から開始して、軽いメニューは後回しに。これが成功への鍵となります。