国会は審議をするところ
ゲーム感覚で物を言う場所ではない
――ガーシー氏が望むオンラインでの弁明を認めない理由は何でしょうか。
オンライン国会の議論は、コロナという緊急事態で起きたものだ。基本は対面である。国会は「審議」をするところ。ゲーム感覚で物を言う場所ではない。
どんなに時代が変わろうと、普遍的な価値はある。民主主義の基本は対話だ。それをSNSでやって、政治を軽くするようなことをしてはならない。これは私の思いだが、今回のケースでいえば、そもそも国会には規則がある。出席しなくてはならないという規則がなければ、おとがめがあったかはわからない。しかし、規則がある以上、規則が前提の運営となる。規則を変えたいのであれば、議員活動を通して、改革をしていけばよい。
――懲罰委員会は、そもそも何をするための委員会で、今後、ガーシー氏の処分の行方はどうなるのでしょうか。
懲罰委員会というのは、本来開かれない方がいい委員会だ。開かれるということは、議員に何か落ち度があったということだ。今回の開催も10年ぶりになる。前回はアントニオ猪木さんが懲罰を受けている。開かれないことが前提なので、各党の重鎮クラスが、委員会に名を連ねていて、例えば、自民党は、世耕弘成参議院幹事長だ。
懲罰を受けるまでのプロセスだが、懲罰委員会の理事懇談会で委員会の日程を決めて、理事会、委員会で議論し、委員会での決定を本会議にかけることになる。2月16日に理事懇談会で話し合った結果、21日午前9時50分に理事会、同日10時から委員会が開かれる。処分については21日の委員会で決まる。処分の内容については各党、大体一致している。
懲罰には4段階(議場での戒告、議場での陳謝、一定期間の登院停止、除名)ある。議場での戒告も、議場での陳謝、登院停止も、本人がいないから意味がない。ちなみに、この陳謝での文章は、本人がつくったものではなく、懲罰委員会がつくったものを読み上げるという屈辱的なものだ。委員会で弁明の機会があるが、本人は出てこないで、NHK党の浜田聡参議院議員に代読させるつもりらしい。
戒告も、陳謝も、登院停止も、本人が議場にいれば意味があるけれども、いないと意味がない。ということになれば、1回目は、その3つのどれかになったとしても、ガーシー氏が登院しなければ、そのときは次の処分に移ることになる。
――次の処分とは、除名ということでしょうか。
有権者から選ばれた議員の身分は重いのでここは丁寧に、慎重の上にも慎重に行うが、本人がどう出るかで2段階で処分が進むことになる。つまり1度目の処分で国会へ登院しないなら、次の段階へと進む。ガーシー氏は、国会を改革したいのなら、国会へ出てきて物を言うべきだ。