年度の変わり目で意外に困るのが、子どもの教科書の管理です。取っておくべきなのか、捨てても問題ないのか判断がつかず、毎年多くの保護者が頭を悩ませています。しかし、片づけアドバイザー・石阪京子先生によると、古くなった教科書は前年度分だけ残して、それ以前のものは3月中に捨ててしまって問題ありません。
本稿では、家中の紙を9割減らして、住空間も心もスッキリと整えられるノウハウが満載の、石阪京子先生の最新刊『人生が変わる 紙片づけ!』より一部を抜粋・編集して、「不要になった教科書」を3月中に捨てるべき“納得の理由”を解説します。(構成/根本隼)
残す教科書は「前年度分」だけ
まず子どもの教科書は、基本的に、前年度分を残しておけば、それより古いものは捨ててしまって大丈夫です。例えば、小学1年生が3年生になったら、1年生の時の教科書は処分する。
ただし、高学年になってくると、前の年度の地図帳や資料集などをまだ使うことがあるので、それはお子さんと一緒に確認しながら作業していきます。
古い教科書を捨てるのは「新しい学び」のため
でも、「どうしても不安で教科書は捨てられません」と、よく言われます。なんのために昔の教科書を処分するのかと言うと、それは新しい学びのために場所が必要だからです。場所が空いていないと整理ができないから、今使っている教科書がぎゅうぎゅうで入りきらず、床に散らばったりして、やるべきことが滞っていきます。
処分するかどうかを判断するのはお子さんです。でも、小学1年生では判断できないから、ルールを決めてあげましょう。「3年生になったら、もう使わないので1年生の教科書は捨てようね」という感じで伝えます。
2年生になった時に、「1年生の時の教科書を捨てよう」と言っても、お子さんはちょっと不安だから、「置いておいて」と多分言うと思います。でも、3年生になったら、1年生の教科書はもう要らないなってお子さんもわかるんです。
なぜ教科書を捨てるのか、親がきちんと説明しよう
こうやって、お子さん自身に要不要の判断を練習させていくと、中学生ぐらいになった時には、ルールがなくても自分で判断できるようになります。
親の役目は、なぜ古い教科書をわざわざ捨てるのか、その理由をしっかり教えてあげて、本人が自分で考える力を養い、自立していくサポートをすることだと思います。
大事な教科書を捨てることに抵抗感がある人は多いと思いますが、大切なのは、今とこれから。もう使わない教科書のせいで、今使っている教科書を整理できず、学びが滞ってしまっては本末転倒ではないでしょうか。
学校の中のことは、本来、お子さん本人がやるべきことです。でも、小学生のうちはやり方を知らないから、一緒にやって教えてあげる。中学生ぐらいになったら、本人に任せておけばいいと思います。
ドリル・プリント・通知表は?
ドリルやプリントも同じです。これらはすべて、お子さんがインプットのために必要としたもの。頭にしっかり刻み込まれていれば、紙を残す必要はありません。
通知表は親が管理しているケースが多いですが、本来子どものものです。お子さんに渡して残すかどうかの判断やその後の管理は任せてあげてくださいね。
(本稿は、『人生が変わる 紙片づけ!』より一部を抜粋・編集したものです)