投資信託は指数に連動するインデックス型か、指数を上回る成績を目指すアクティブ型か――。答えのない問いではあるが、「有名投信だから安心」といって購入するのはNGだ。特にアクティブ型は信託報酬が高いだけに、カリスマファンドマネジャーであっても「指数」に勝つのは容易ではないからだ。特集『インフレ&金利上昇到来!騙されないための投資術』(全22回)の#11ではひふみ投信、さわかみ投信など純資産の大きい日本株アクティブ投信の成績を公開する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
日本株アクティブ型投信は
直近3年では6割が指数に敗北
「有名ファンドでも指数を上回り続けることは難しい」――実は歴史的にアクティブファンドの半数以上は指数を上回ることができていない。
投資信託には、TOPIX(東証株価指数)やS&P500のような指数(ベンチマーク)に連動する運用成績を目指すインデックスファンドと、そうした指数を上回る成果を目指すアクティブファンドがある。一見するとアクティブファンドの方が良さそうだが、保有期間中にかかるコストである信託報酬が高い分、不利になりやすい。
近年は情報発信に積極的なファンドも少なくない。メディアやSNSでファンドマネジャーが発信するメッセージに共感することもあるかもしれない。
ただし、それに対しては一度冷静になった方がいいだろう。なぜならば、どんなに「崇高な理念」を掲げていても、運用成績が悪ければ、損をするのは自分自身だからだ。
あえてアクティブ型の投信を選ぶ際は、過去のリターンについては最低限チェックしよう。また、できればシャープ・レシオも確認しておきたい。シャープ・レシオはファンドの運用効率、つまり取ったリスクに見合ったリターンが得られているかどうかを見る指標で、高いほど効率的な運用ができている。
「リターンとシャープレシオについては、過去1年、3年、5年など複数期間で比較することが重要です」(篠田尚子・楽天証券経済研究所ファンドアナリスト)
次ページではイボットソン・アソシエイツ・ジャパンのデータを基に今回は純資産額が多い日本株型のアクティブファンド35本の期間別の成績を公開する。直近3年では6割に当たる21本がTOPIX連動を目指すインデックスファンドよりも成績が下回っている。その中には、有名ファンドマネジャーが運用する投信も複数存在していた。