インフレ&金利上昇到来! 騙されないための投資術#10Photo:123RF

相次ぐ大規模リストラが表面化するなど、世界の株式市場の本丸たる米国からは、巨大ハイテク企業の不調が伝わる。しかし、そんな局面こそ長い目で見れば優良株の仕込み時。特集『インフレ&金利上昇到来!騙されないための投資術』(全22回)の#10では、プロが選んだ中長期で株高が狙える厳選銘柄リストを明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

米国の巨大ハイテク企業で
相次ぎリストラが表面化

 アマゾン・ドット・コム、アルファベット(グーグル親会社)、マイクロソフト……。誰もが知る米国の巨大ハイテク企業が今年に入り、それぞれ1万人以上に及ぶ人員削減策を明らかにしている。

 大規模なレイオフの流れは、昨年から話題となってきたメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)やツイッターなどもしかり。コロナ禍に伴う“IT特需”がここにきて急速にしぼみ、拡大路線で急成長を遂げてきたテック各社が、新たな現実への対応を余儀なくされているのだ。

 リーマンショックやコロナ禍などの曲折を経ながらも、米株式相場は基本的に右肩上がりとなってきた。だが、上図の通り、特にハイテク株中心のナスダック総合指数において、このところ大幅な調整局面に直面。かつてないほどの不振ぶりが伝わってくるのだ。

 働き手にとって、失業は当然最も避けたい事態の一つ。ただ解雇規制が厳しい日本と比べ、その時々で柔軟に雇用を調整する米国企業のやり口は、世界最大の経済国のダイナミズムをも映し出している。

 実際、冒頭の3社でも、人員削減策を発表後は業績改善期待から株価に上昇の動きが見られた。「(人員削減策に対する)世間的なイメージは良くないが、株式市場的にはあく抜け材料の一つ。最悪期を脱する象徴的な出来事で、中長期的にはプラスに効いてくる」(大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジスト)というわけだ。

 米経済そのものは、先行き不透明感が強い。何しろ、市場では昨年夏以降、米2年物国債の金利が10年物国債を上回る「逆イールド」が発生。長短金利の逆転現象は歴史的に“景気後退の前触れ”として警戒されてきた。

 半面、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ対策として矢継ぎ早に利上げを行ってきたにもかかわらず、米経済は想定外の打たれ強さを継続中だ。米国では最近、高インフレ下でも経済成長が続く「ノーランディング(無着陸)」論という都合の良い講釈も話題となっているが、インフレの動向次第では引き続き、景気後退懸念は拭えない。

 ただし、世界での圧倒的なシェアを基に高い収益性を誇る優良株なら、むしろ外部環境の悪化時に売られた局面こそ、長い目で見れば仕込み時。業績が底打ち後は、やがて株高トレンドをたどるのが市場の必然だからだ。そこで次ページでは、長らく米国株をウオッチする相場のプロ2人が厳選した延べ17社を開陳。直近の決算の評価、強さの源泉や事業展望などのコメントを併記した、銘柄リストを大公開する。