貧しい日本の最下層が若者たち
若い男性はおごる余裕があるか

 ご存じのように、この30年間、諸外国で着々と賃金が上がっている中で、日本は賃金がほぼ横ばいだ。これは先進国の中でもダントツに低く、平均給与ではついにお隣の韓国にまで抜かれるありさまだ。

 そんな「貧しいニッポン」の中でも最下層にいるのが実は若者だ。

 日本の組織にはいまだに「年功序列」というシステムがあるため、古参社員の給料を捻出するため、社歴の浅い若者の給料はギリギリまで低く抑える傾向があるからだ。

 また、近年増えている非正規雇用も若者が多い。実際、令和3年の民間給与実態統計調査を見れば20~24歳の平均年収は269万円、25~29歳も371万円だ。上がっていく見込みはほとんどなく、物価も高騰しているのでどんどん目減りしていく。

 さて、このような低賃金であえぐ若い男性たちの心境になって、「デート代は男性におごるべき」という女性の主張を聞いたらどう思うだろうか。

「ですよね」と素直に貯金を切り崩して、デート代を捻出する男性もいるかもしれない。女性がそう言うならばと借金をしてでも、女性に財布を出させないという男もいるかもしれない。だが、多くの男はカチンとしきて、内心こう思うはずだ。

「おごりたいのは山々だけど、ない袖は振れないよ」

 そんな憤りやイラつきが、今回の深田さんの炎上に繋がっているのではないか。

 筆者がそう感じるのは、今の日本のように、「低賃金で女性とデートできない男」があふれかえる国では往々にして、男性たちの「鬱積した怒り」が女性に向けられることが多いからだ。

 わかりやすいのが、アメリカだ。