自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

プレゼンが「ぜんぜん刺さってない」とき、コミュ力が高い人はどう切り抜ける?Photo: Adobe Stock

コミュニケーションのゴールは相手を動かすこと

どのようなコミュニケーションにも、目的を持つこと。

これも重要な大前提です。

そして、あなたの目的を達成するためには相手に何かしらの行動をしてもらう必要があります。

つまり、コミュニケーションのゴールとは「相手を動かすこと」と言えます。

それは相手を支配することや、コントロールすることではありません。

望むのは相手の自発的な行動や心理的な変化です。

そのためにも「相手がどういう状態にあるのか」は常に把握し続けなければなりません。

一番大切なのは相手を理解しようとする気持ち

コミュニケーションが苦手な方の中には、様々な本を読んで、会話のテクニックを学んでいる方もいるでしょう。

たとえば、相手の話を聞くときは「ミラーリング」をしたほうがいいとか、目を見てうなずいたほうがいいなどのテクニックです。

もちろん、それらのテクニックを知り、実際にやってみることはとても大切です。

しかし、テクニックを使う前の大前提として相手を理解しようとする気持ちを持っていなければなりません。

「準備したことをそのまま喋る」のはNG

相手を理解するとはどういうことでしょうか。

たとえばプレゼンテーションをしているときに、相手が「うーん」という表情をしていたとします。

すると「あ、この話は刺さってないな」と相手の状態がわかるわけです。

ところが多くの場合、準備してきたプレゼンテーションがあるので、そのまま話を続けてしまいがちです。

しかし、本来であれば相手の状態を理解した段階で、何か手を打たなければいけません。

「何かわかりづらい点がありましたか?」とすぐに質問することが必要です。

そうすると「こういった話は、うちは別に求めてないんだよね」と返ってくるかもしれません。

そこまで確認できると「さきほどの視点ではなく、こういった連携ではどうですかね?」と話の方向性を変えることができます。

自分の目的達成に向けて会話が進んでいるかどうかを、相手に質問を投げたり表情や仕草を見たりすることで常にチェックすることが大切です。