アスベスト含有建材が使われている?
2006年以前のマンションは要注意

 少し専門的な話になるが、アスベストは「発じん性」に応じて、その危険度を表すレベルが定められている。発じん性とは粉じんの発生率、あるいは飛散率を指し、1~3の3段階に分類される。アスベストが使用されている建物の解体や封じ込め、囲い込みなどの作業を行う際には、このレベルに合わせて作業する必要がある。

 発じん性が「著しく高い」として、最も危険とされるレベル1は「石綿含有吹き付け材」だ。これは鉄骨造などにおいて、耐火を目的として柱やはりに吹き付けるロックウールなどが該当する。

 次に発じん性が「高い」とされるレベル2は、「石綿含有保温材、耐火被覆材、断熱材」が該当する。これは保温材や断熱材として、配管などに巻き付けてあるものが一般的だ。

 発じん性が「比較的低い」とされるのがレベル3で、「その他の石綿含有建材(成形板等)」が該当する。たとえば成形板などのボード類や塗装材など、硬く成形されたりしてアスベストが飛散する危険性の低い建材はこのレベルに分類される。

 レベル1は、養生や散水・薬剤散布、作業員の防じんマスクや防護服の着用など、厳重なばく露防止対策が必要とされ、レベル2もレベル1に準じて、高いばく露防止策が求められる。レベル3はレベル1・2ほどの危険性はないものの、専用の防じんマスクや粉じん対策の防護服の着用などの対策は必要となる。

 マンションによって工法や使用建材はさまざまだが、大規模修繕工事において多く見受けられるのが、天井や壁などの塗装材にアスベストが含有されているケースだ。具体的には天井のリシン吹き付け材、外壁や手すりの内側に施工されている吹き付けタイルという素材の塗装材はレベル3に分類されるが、たとえばひび割れ部分をグラインダーなどでカットしてシーリング材で充填するような作業の場合、グラインダーで該当部分をカットした際に粉じんが生じて、塗装材に含まれたアスベストが飛散する可能性がある。

 一般的な大規模修繕工事の内容を考えると、塗装部として壁の吹き付けタイルや天井のリシン、各種配管の保温材、内装工事を伴う場合にはボード類やバルコニーの隔て板、さらに変電室やエレベーター機械室といった各種機械室の壁、室内天井裏や各種機械室に施工されている断熱材、防音材など、さまざまな部分にレベル3に該当する建材が使われている可能性は否定できない。

 そして、レベルが低いとはいえ、もし建材にアスベストが検出されれば、工事の実施時にはレベルに応じた対策が必要となってくるのだ。