回転ずしの
新しいカタチを提案
実は回転ずし業界では、客がタッチパネルで注文して頼む場合と回るレーンから取る場合の割合のデータがわかっている。
例えば、「元気寿司」では、85対15の割合、「くら寿司」は、特許を取得している抗菌すしカバーがあるためか、50対50の割合となっている。その他の多くの店では、70対30程度となっている。
最近は価格帯が2タイプ(安価な商品と付加価値品)あることから、90対10となっているチェーン店もある。付加価値の高いメニューは高価格に設定されているため、廃棄ロス対策もあってレーンに流さず、タッチパネルでの注文で対応しているケースが多いからだ。
レーンに流されているのは、空腹な客が、来店時にとりあえず頼むというケースを想定し、定番メニューである確率が高い。
いまでは、元気寿司の系列店「魚べい」のように、すべて注文品で寿司を提供している回転ずしも出てきている。
そこで、筆者は、回転ずし店での迷惑行為を完全に防ぐため、テーブルには何も置かず、レーンから取る割合もゼロにして、全てを注文対応にすることを提案したい。
現在の回転ずしの一般的なレーンは、サイドメニューのラーメンどんぶりの幅、ドリンクのカップの高さのサイズまでは乗せることができている。つまり、このサイズに納まるのであれば、現状のレーンに流せるということだ。
そこで、通常卓上に置いてある、湯飲み、お茶の粉末、しょうゆ、甘だれ、箸、ガリといったものを「台座セット」として開発し、それをレーンに流して個別のテーブルに届けるようにする。これは最低限の設備投資で可能なはずだ。この場合、お茶、醤油、甘だれ、ガリなどは、コストはかかるが、安心・安全のためにも使い切りの個装化、少量タイプにするのがいいだろう。
回転ずしでは予約や来店時に、客に人数を機械入力させる場合が多い。そのタイミングを利用して、客に席が用意された時点で個別テーブルのレーンに、先ほどの「台座セット」を流す。
ちなみに、店頭で客に個々に取ってもらう方法もあるが、衛生管理が行き届かないのとオペレーションが複雑化するので、良案とはいえない。
さて、肝心のすしはどうするか。常時、レーンに流しておくすしをゼロにすることを提案したい。これはどういうことか、詳しく説明しよう。