教科書は頭に入れつつ、自分たちのやり方を模索中

 スクラムを始めて1年半、課題も見えてきた。JPデジタル CIOの柴田彰則さんは、こう語る。

「スクラムで意識しているのは、権限委譲とエンパワーメントです。今はスクラム内での意思決定に苦労しています。自分は何がしたいのか、まだ明確に見出せていないメンバーもいますし、裁量を持って新規事業やサービス開発に取り組んだ経験がないメンバーも多いので、主体性を持って決めるという点では改善の余地があります。まずは、『あなたがやっていいんですよ』と背中を押していく必要があります」(柴田さん)

JPデジタル CIO 柴田彰則さんJPデジタル CIO 柴田彰則さん Photo by M.S.

 ただ、道筋も見え始めている。

「スクラムに限らず、自分たちの組織に新しいものをフィットさせるには、トライ&エラーしかありません。スクラムをやってみて初めて分かったのですが、始めたばかりの頃と、一回まわして大体こんなものだと認識が合ってきた頃とでは、同じ問題が起きたとしても受け止め方が違うし、打ち手も変わってくるんです。大切なのは、無理やりフレームワークに合わせようとはしないこと。教科書的な理想やメソッドは、その本質をきちんと捉えた上で、自分たちに合ったやり方を模索していくしかないんです」(柴田さん)