卒婚のメリットは大きく二つ
卒婚には大きなメリットが二つあります。一つは、「相続面での不安が少ない」という点です。夫婦関係から卒業するとはいっても、法律上は婚姻関係が継続しているのが卒婚。たとえ夫が亡くなっても、妻として夫が残したお金などをしっかり受け取れるので安心です。子どもへの相続も同様です。
もう一つのメリットは、「信頼感が高まる」という点です。卒婚はあくまでも相手との信頼関係の上に成り立つもの。だとすれば、「こんなに自由にさせてもらって、お互いを認め合える関係が築けるなんて、とてもありがたいことだな」というように、パートナーに対してより信頼感や感謝の気持ちが高まるようになるのです。
「離婚はしないに越したことはない」という信条を持っている私が、夫婦問題の相談の現場でも離婚より卒婚をおすすめするケースがあるのは、熟年夫婦がお互いに相手に対しイライラと嫌悪感を募らせているよりは、結婚生活から解放される卒婚を選択するほうが、精神的に安定する人も少なくないからです。
一見いいことばかりのような卒婚ですが、落とし穴もあります。たとえば、こんなケースもありました。