捏造と断じた高市発言で浮かぶ、政権によるメディア分断の内実3月6日午前、参議院予算委員会で答弁する経済安全保障担当相の高市早苗。同委員会での高市の発言が永田町に波紋を広げている Photo:JIJI

「文書の信憑性に大いに疑問を持っている。全くの捏造文書だ」

 経済安全保障担当相の高市早苗は3月3日の参議院予算委員会で顔色一つ変えずに言い切った。

 質問者の立憲民主党の参院議員、小西洋之が畳み掛けた。

「捏造でなければ閣僚や議員を辞職するのか」

 これについても高市は即答した。

「結構ですよ」

 高市が言及した「文書」とは、小西が前日に公表した安倍晋三内閣当時に総務省が作成したとされる放送法の解釈変更を巡る経過を記録した文書のことだ。この高市答弁を聞いて即座に思い浮かんだのは2017年2月の衆議院予算委員会での安倍の答弁だった。

「私や妻が国有地払い下げに関わっていたら首相も議員も辞める」

 大阪の学校法人森友学園への国有地払い下げ問題で追及された安倍の答弁だ。安倍発言は国有地払い下げの実務を担当した財務省に衝撃を与えた。安倍発言に直面した財務省幹部は国会で虚偽答弁を繰り返し、果ては公文書の改ざんにまで手を染めることになる。その一方で公文書の改ざんに強く抵抗した近畿財務局の職員が自ら命を絶つという悲劇を誘発した。