統一地方選を巡る維新の思惑が、岸田首相の「衆院解散戦略」を左右橋下徹引退後の党を引っ張ってきた日本維新の会前代表の松井一郎(左)と、現代表の馬場伸幸。統一地方選と衆院補選を巡る維新の動向に注目が集まっている Photo:JIJI

 4年に1度の統一地方選挙が始まる。今回の大きな特徴は、知事選挙や地方議会議員選挙などに加え、衆参の五つの補欠選挙が重なることだ。さらに衆院小選挙区の「10増10減」に伴う次期衆院選を巡る候補者選びが絡み合い、異例の様相を呈している。中でも日本維新の会の動向に注目が集まる。

 先陣を切るのは4月9日投開票の「大阪ダブル選」だ。大阪府知事選を追い掛けるように、大阪市長選が告示(3月26日)されて同じ4月9日に投開票される。

 もともと大阪ダブル選は大阪府知事だった橋下徹が、2011年に大阪都構想の実現を目指して仕掛けた「政治戦略選挙」だった。橋下は大阪市長の任期満了に合わせて府知事を任期途中で辞職することによって、ダブル選挙を実現させた。

 このダブル選で橋下は大阪市長になり、橋下と入れ替わるように府知事に当選したのが松井一郎。以来、橋下・松井コンビは地域政党の「大阪維新の会」を土台に、国政政党である日本維新の会へと党勢を拡大させてきた。大阪ダブル選は今回で4回目になる。

 ただし、今回の大阪ダブル選を機に、橋下引退後の維新を引っ張ってきた松井も政界を去る。すでに維新の代表には馬場伸幸が就任しており、ダブル選は将来の維新を占う試金石でもある。