日本が「コスパ至上主義」をやめないと給料が上がらない決定的な理由写真はイメージです Photo:PIXTA

コスパを求める姿勢は
自分の首を絞めかねない

 日常生活において「コスパ」という言葉はよく使われる。言うまでもなくこれは「コスト・パフォーマンス」を略した言葉で、最近ではここから派生して「タイパ(タイム・パフォーマンス)」とか「スペパ(スペース・パフォーマンス)」といった言葉もよく使われるようになった。

 タイパやスペパのように時間や空間を効率的に使うという考え方はよく理解できる。以前このコラムで指摘した「映画を早送りで観る人たち」のように、行き過ぎてしまうのは考えものではあるが、限られた資源である「時間」と「空間」を効率良く使うことはある程度重要だろう。

 これに対してコスパというのは少しニュアンスが異なる。こちらは出したお金に対してそこから得られる満足度が高いかどうかということを表している。

 コスパという言葉自体は比較的新しく使われるようになったが、昔から「お値打ち品」とか「お買い得」といった表現で使われていた。これもある程度重要であることは間違いない。ただ、一般的な風潮としてどうもこのコスパを求め過ぎていることが日本経済を停滞させている原因に思えてならない。