自分の考えていることが、うまく人に伝えられない」「人とコミュニケーションをとることに、苦手意識がある」と悩む方は多くいます。しかし、その悩みこそ「相手とよい関係を築き、人を動かす」ための第1歩に変えられるのです。『超完璧な伝え方』の著者、4代目バチェラー・黄皓氏による「誰とでもスマートに人間関係を築く」ための簡単なテクニックを紹介します。

【高い店じゃなくていい】誰でも「親密になれるお店」の超カンタンな選び方Photo: Adobe Stock

コミュニケーションは「場所選び」からはじまる

たとえば恋人に「好きです」と告白するとき、商店街の騒がしい場所で言うのと、予約したレストランの窓側の席で言うのでは、どちらのほうがより想いが伝わるでしょうか。

当然、後者ですよね。

話す内容や話し方だけではなく、場所によってもコミュニケーションの質は大きく変わります

に書いたように、モチベーションが低い社員の本音を聞くためには、社内ではなく「カフェのテラス席でランチ」という場所を用意するなど、あなたの伝えたいことが100%伝わるようにふさわしい場所やシチュエーションを選んで用意することも、コミュニケーションにおいてとても大切な要素です。

たとえば、伝えやすいシチュエーションを売りにしているのが「バー」です。

ただお酒を飲むだけであれば、居酒屋でもいいはずですよね。

しかし、大事な話をするときは、多くの人が居酒屋ではなくバーを選ぶはずです。

暗くて静かなバーでは、自然と声も小さくなります。

互いの距離も近づきますし、ヒソヒソ声で話をしていると、の「関係性を深める技術」で紹介したように「秘密を共有する感覚」も生まれやすくなります。

相手に対して親密な感情を抱きやすいのです。

「視線の選択権」がある店を選ぶ

コミュニケーションの目的を達成するためには、適切な雰囲気の場所を選ぶことが重要です。

とはいえ、必ずしも「高級なお店」に行く必要はありません。

私がオススメするのは「カウンターに座れるお店」です。

なぜなら、お互いに視線の選択権を自由に持つことができるからです。

テーブルに向かい合って座ると、目の前には常に相手がいる状態となります。

つまり「お互いに相手を見ている状態」が強制され続けるのです。

そのため、相手が少し体をそらしたり、目線を外すだけで「何でだろう?」と気になってストレスが発生してしまいます。

しかし、カウンターでは横並びに座ります。相手が目の前にいるわけではないので、お互いの目線が気になることはありません。

相手のほうを見たいときには横を向いて見ればいいし、見たくないときは見なくてもいい。視線の選択権が自分にあるのです。

「視線の幅」を自分で調整できるので、コミュニケーションを取るのがすごくラクになります。

バーも基本はカウンター席が多いですよね。

テーブル席ではどうしても距離が遠くなるので、声もある程度大きくしなくてはいけません。

だから、「秘密の共有」が難しくなってしまいます。

大切な話をしたいときや親密になりたい相手がいるときは、高級なお店を探すよりも「カウンターに座れるお店」を探してみてください。

(黄皓著『超完璧な伝え方』から一部を抜粋・改変したものです)