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前回は、横暴な上司への対処法をお伝えしたが、“傷つきやすい上司”も厄介なものだ。すぐに不機嫌になったり、「どうせ自分は……」といった感じでいじけたりしてしまう。部下としては「上司にはもっと堂々としていてほしい」と思うものだが、実は、上司というのはとても傷つきやすい立場なのだ。今回は、傷付きやすい上司の心理メカニズムを踏まえて、上手に対応する方法を考えてみよう。(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

傷つきやすい上司は、すぐに怒ったり落ち込んだりする

 社内の会議で、上司の提案した内容について、きちんと理解したいと思って質問したら、「私の提案にケチをつけるのか!」と血相を変えて怒鳴ってきたので驚いた、という人がいる。決してケチをつけるつもりなどなく、むしろ強い興味を持ったから質問したのに、なぜ怒り出すのか、訳が分からないという。

 また、上司から指示を受けて、よく分からない点があったので、そこを確認しようと質問したら、「私の指示に不満でもあるんですか?」と思いがけない反応をされて慌てたという人もいる。不満などないし、指示に従って動くためにしっかり理解しておこうと思っただけなのに、どうしてそんなひねくれた受け止め方をするのか、理解に苦しんだという。

 他にも、上司の提案を良いアイデアだと思ったが、少しアレンジした方が現場に適合しやすいと思って意見を言ったところ、「やっぱり私なんかより現場に詳しい人の方が良いアイデアが浮かびますよね」などとすねたようなことを言うので、取りなすのに冷や汗をかいたという人もいる。

 このように、こちらとしては批判するつもりなどないのに、ちょっとしたことで機嫌が悪くなる上司というのは扱いにくいものだ。なぜそんなに気分が揺れ動くのだろうか。その背後にあるのが「見下され不安」だ。

 見下され不安とは、見下されるのではないか、軽く見られるのではないか、バカにされるのではないか……といった不安のことだ。怒り出す、すねる、嫌味を言う……その現れ方にはいろいろなパターンがあるが、過剰な反応を示す人物の心の中には、えてして見下され不安が潜んでいるものである。