経営体制にも問題が
ところで、いきなり!ステーキは、13年12月5日に東京の銀座4丁目に1号店をオープンした。その後、一気に店舗数を増やした注目すべきビジネスモデルであった。
だが、ここ数年は業績不振が続き、創業者の一瀬邦夫代表取締役CEOは22年8月12日、経営責任を明確にするという理由で辞任、取締役にも残らず一線を退いた。
そして、新社長には副社長だった息子の一瀬健作氏が就任した。
ところが、である。前社長の影は同社のHPを見ただけでも、色濃く残っていることがわかる。
自社を取り上げている関連書籍のバナーをクリックすると、前社長の一瀬邦夫氏の著書に飛ぶ。また、「肉マイレージ」のカードデザインは前社長の写真がそのまま使われている。普通は退任した社長をそのまま使わないので、何らかの加工をする(モザイクで隠す等)のではないか。
また、スーパーの冷凍食品コーナーで販売中の「いきなり!ステーキ ビーフガーリックピラフ」には、前社長の写真が今でもそのまま掲載してあった。さらには、別件でたまたま曙橋(東京都新宿区)を訪れた際、「いきなり!ステーキあけぼのばし店」では異様な光景を目にした。いまだに店頭と店舗脇には、前社長の写真がデカデカと残り、客を迎えている。
依然として、前社長は大株主であり、息子に権限委譲をしただけの家族経営のままで、果たして、一切口を出していないと言い切れるのであろうか。
新しい「肉マイレージ」制度になったと期待して、同社のHPを見ても、経営者の「顔」も含め、以前と何も変わっていないように思えてしまうのだ。