内田弁護士はいろんな相談を受けて、その内容次第では法的に解決したり、雇用者と従業員や雇用者同士など当人同士での解決へ導いたり、探偵社に依頼して人を捜したり、対応方法はさまざまです。

 内田弁護士事務所は歌舞伎町の駆け込み寺の側面もあって、今すぐ逃げたいや捜したいなど突発的な相談も多いので、急な調査依頼になりがちなのです。前もっての依頼相談は6割ほどで、3割は「今晩」などの当日対応で、残りの1割は「今すぐ」の即時対応もあることから、数多くの探偵とパイプを築いているのです。

 内田弁護士からは幾度か当日対応の人捜し調査依頼を受けていましたが、今回は行動調査を頼みたいとのことでした。幸い対応中の調査は夕方には終了するので、依頼の内容を聞いてみました。

 ある場所で内田弁護士が対象者と会うので、別れたら対象者を追って自宅を割り出してほしいというものでした。内容はシンプルですが内田弁護士が絡む案件なので、念のため背景を聞きました。

風俗で禁止行為をした男性
店長から誠意を見せろ、と電話

 依頼者の村田氏(54歳)はある派遣型風俗店、いわゆるデリヘルを利用した際に、禁止行為を行ったそうです。村田氏は女性従業員とは同意の上であったと認識していましたが、後日風俗店の店長を名乗る男性から電話があり、「女性従業員は無理やり禁止行為をされたと言っている、売春防止法に違反しており訴えたら強制性交罪で懲役5年以上の有期懲役になる可能性がある。訴えない代わりに誠意を見せろ」と一方的に言われたそうです。考えさせてほしいと言っていったん電話を切り、内田弁護士に相談してきたそうなのです。

 内田弁護士は、合意の上での禁止行為は、店側が勝手に設定している罰金や、損害賠償や慰謝料、示談金の支払いや示談書の締結などの義務はなく、警察に通報するなどと脅してお金を巻き上げようとしている手口であることは明白だと断言しました。内田弁護士は村田氏の代理として、すぐさま風俗店に連絡をとり、要望を聞くため直接会う約束を取り付けました。正直どんな相手が来るのか分からないので、念のため別れた後に対象者の自宅を割り出してほしいという内容でした。

 私はこの背景を聞いて、反社が関わっているのではと疑いました。内田弁護士は調査において危険を察知した時点で打ち切って構わないとまで言うので、私はできる限りの調査ということで受けました。