「今の家に住み続ける」選択は
現実的ではない
中・高・大の教育費を合計すると、1人当たり1140万円(640万円+500万円)、2人で2280万円です。ただし、すでに娘さんは9歳(小学校3年生)で、入学から3年分の学費を支払い済みかと思います。
そのため今回の試算では、上記の2280万円から、前述した公立小学校に通う子の学習費(約35万円/年)を3年分(約105万円)差し引いた2175万円を、Bさん夫婦が今後支払う教育費の上限とします。
Bさん夫婦が保有する金融資産額は987万円ですから、もしお子さんが2人とも私立大学へ進学した場合、教育費は1188万円以上不足します。
国公立大学に進んだ場合も、1人当たり年間50万円(4年間で200万円)程度の学費がかかるので、やはり現状の家計収支で持ちこたえるのは難しいでしょう。
Bさんは相談文の最後に、「もし今の家に住み続けた方がよい場合は、その理由も教えていただけると幸いです」と書いています。
この点について、先にお答えしておきます。
現在の家計収支、退職金の有無、公的年金の見込み額など不明な点が多々あるため断定はできませんが、先ほど試算した教育費の規模を踏まえると、今の家に住み続けるのは得策ではなさそうです。
教育費の不足額(1188万円)、相談文に記載のある「家に住み続けた場合の大規模リフォーム費用」(1000万円程度)、老後資金(筆者の試算で1500万円前後)、そして後述する車の交換費用(750万円)の計4400万円超を、家を売らなくても準備できるなら住み続けても大丈夫ですが、あまり現実的ではないかもしれません。