冷え、だるさ、むくみ、疲れ、肩コリ、腰痛、便秘、不眠といったなんとなくの不調。『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。今回も本書の監修者で「自力整体」の考案者である矢上裕さん(矢上真理恵さんのお父さん)をお迎えして、「熟睡するための快眠ワーク」をテーマに話をうかがった。(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家

こんな人は熟睡できない? 整体プロがすすめる快眠ワーク

血流が悪いと熟睡できない?

――真理恵さんの著書『すごい自力整体』のワークをおこなうと、気持ちよく熟睡できるという声が多いそうですね。

矢上真理恵(以下「真理恵」):そうですね。夜のレッスンでは途中で寝落ちされる生徒さんもいらっしゃいます。これは副交感神経が優位になるからなんですね。

 自律神経の乱れが気になる方にも「自力整体」はおすすめです。

――ところで、たまに朝起きると疲労感が残っていたり、コリや痛み、むくみが出ることがあります。なぜでしょうか? 矢上裕先生におたずねします。

矢上裕(以下「裕」):原因は3つあると思います。

1、 夕食の時間が遅い:食べたものが消化されずに寝ると、骨盤まわりに負担がかかり血行不良からコリや腰痛、むくみが出やすいので、なるべく夕食は寝る3時間前までに終わらせるのが理想です。

2、 昼の緊張を引きずったまま布団に入る:朝になっても疲れがとれないのは交感神経が優位の緊張状態で寝るからです。寝る前に「自力整体」などで軽く体をほぐせば副交感神経が優位になり快眠できます。

3、 寝ている間の血行不良:1と2を改善すれば、ほとんどの睡眠の悩みは解決できるはずですが、それでも朝、疲れやコリ、むくみが気になるという方は、寝ている間に血行不良を起こしているかもしれません。寝方を見直してみてください。

――「3」の「寝ている間の血行不良」について、すぐできる対処法はありますか?

裕:血流を妨げないようにするには、頸椎(くび・脊柱の最上部)が圧迫されない状態をつくるのが理想です。

 たとえば、私の場合なら仰向けで枕ナシの状態で寝るのが一番ラクな「整体の姿」です。

――血行不良の予防に役立つ就寝中の「整体の姿」とは、具体的に何を目安にしたらよいでしょうか。

裕:寝たとき、正しい姿勢で立つときと同じ体のラインができる状態を目安にしてください。次の図のようなラインです(*画像参照、『すごい自力整体』より抜粋)。

こんな人は熟睡できない? 整体プロがすすめる快眠ワーク

――これを目安に枕やタオルなどで調整するとよさそうですね。

裕:そうですね。人それぞれ頭のカタチや体型は異なりますから、「整体の姿」を基本にしながら工夫するといいと思います。

 とくに日本人に多い後頭部が絶壁型の方は、背中側が布団に沈み込んで頚椎が緊張します。ですから、少し高さのある枕を選ぶといいかもしれません。

 一方、後頭部がポンと盛り上がっている方が高さのある枕で寝ると、後頭部が圧迫されて寝苦しくなります。低め、または枕ナシを選ぶとよいかもしれません。

 そしてもう一つ注意すべきは、猫背やストレートネックの方です。

――どのような注意が必要でしょうか?

こんな人は熟睡できない? 整体プロがすすめる快眠ワーク矢上真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗