「拉致問題は解決済み」の姿勢を崩さない北朝鮮

池上彰が解説、韓国vs北朝鮮「スパイの暗躍」が冷戦構造の裏に『世界史を変えたスパイたち』(日経BP)
池上 彰 著

 北朝鮮は2002年まで、拉致の実態を認めませんでしたが、小泉純一郎総理と金正日総書記の間で行われた日朝会談で、金正日総書記が初めて日本人拉致の事実を認め、謝罪。5名の拉致被害者を日本に帰国させることになりました。

 しかしあれから20年たちますが、北朝鮮は一貫して「それ以外の拉致被害者は既に死亡している」「拉致問題は解決済み」の姿勢を崩していません。

 自国の政治工作のために、日本語教育に当たらせる。あるいは、当時まだ13歳だった横田めぐみさんのように、工作の一端を見られてしまったので口封じのために北朝鮮に連れ去った。子どもまで連れ去る、こうした北朝鮮のやり口は、日本人に「北朝鮮は無法国家である」との印象を持たせるのに十分でした。